【投稿者:高原リカ(23)】
「ああー!また取れなかったし!」
「またぁ?もう無理じゃね?」
ここはとある商業施設にあるゲームコーナー。
UFOキャッチャーで見つけた私の好きなキャラクターグッズが欲しくて、何度も何度も挑戦してるけど全て空振り。
この手のゲームで取れた試しはないが、私はどうしても欲しくて無謀な挑戦を続けていた。
「もう一回!これがダメなら諦めるから」
「さっきから同じこと何回も言ってるじゃん。諦めなってー」
ドツボにハマった私を、呆れたような目でミサキは見ていた。
もう何千円も使ってるのに取れなくて、店員さんに位置を変えてもらったりしてもダメで…。
どうしても取れないし諦めなきゃいけないかなと思っても、残すグッズのバリエーションは残すところ1個。
どうしても欲しいけど、離れた隙に誰かに取られちゃうかもしれない。
レバーを握りグッズを見つめながらミサキに両替を頼んだ。
スマホを見ると時刻はお昼近くなっていた。
気づくと小一時間もこの台に捕まっているみたい。
もうどうしようもなくて頬の裏側を噛んでいたその時、隣の台から「ガタン!」と音がした。
(いいなー、隣の人は取れたんだ。何が取れたんだろ)
横の台はアニメかゲームのキャラクターのグッズっぽい。
その景品に興味はなかったけど……それを取った男の人には興味があった。
だって、透明な袋に色んなグッズを何個も入れていたのだから。
ちょうどその時、ミサキが両替から帰ってきた。
「ほい。あまり深追いするなよー?」
「あんがと…。それより、ねぇ、ちょっと見て…」
目配せをするとミサキも彼に気づいたようだ。
高校生くらいかな?
でも身長が私より低いせいか、少し幼く見えるかも。
見た目は少しオタクっぽいけど…地顔は悪くないから整えれば化けるかもね、もったいない。
そして何より…UFOキャッチャーが上手いみたい。
「すっげー」
「いいなー、才能分けて欲しい」
「…いい事考えた。頼んで取ってもらえば?」
ミサキ天才!と一気にテンションが上がり思わず二の腕を叩いてしまう。
そして私は反射的に声をかけた。
「ねぇ、お兄さん。めっちゃ取るの上手いんだね!」
突然声をかけたせいか、めっちゃキョドッてるのが何だか可愛い。
目に被さった髪の毛が野暮ったいけどサラサラの髪は羨ましいなぁって思っちゃう。
「えっ?あっ……その……」
「あ、ごめんねいきなり声かけて。UFOキャッチャー上手なんだなーって。」
「あ、はい…」
「欲しいのあるんだけど、私下手でさ……。良ければ代わりに取って欲しいなー…なんて」
彼は私が話しかけた意図がようやく分かって、少し安心したようだ。
だよね、きっと彼は女に対する抵抗力が無いんじゃないかな?
それに加えて私は金髪で見るからにギャルっぽいし、ミサキも見た目は黒髪で清楚っぽいけどギャルのオーラは隠せないしね。
加えて二人とも美人系だから、女に耐性の無い男だとキツかったのかも。
「え…あ……いいです…けど……」
「マジぃ!ほんと嬉しい!外しても文句言わないから、気楽にやってね」
私は握っていた小銭を彼に手渡した。
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エッチな願望はここで発散!