【投稿者:細田優里(28)】
エスカレーター式の幼稚園に子どもが落ちました。
私たち夫婦は一生懸命に子どもに勉強を教え面接に挑んだのですが、力が及ばなかったのでしょう。
この幼稚園はとある有名大学の系列で、入園すれば大学までよほどの事が無い限り進むことができます。
入園したら、それはそれで大変かと思いますが…
何とかして入れてあげたかったのです。
通知が来て何日か経った頃でしょうか。
園から1件の通知が届きました。
内容を要約すると「補欠入学の対象になったため、一度園に訪れて欲しい」との事でした。
諦めていたところに希望が見え、指定された日時に園を訪れました。
私の前に何人か面談待ちしているようで、数人の人が並んでいます。
どうやら私が最後の面接者のようでした。
面接官と一対一の面談。
話によると繰り上げのラインに数人が固まっており選考しているとの事で、繰り上げした場合入園の意思はあるか、との事でした。
もちろん入園の意思はあります。
その事を伝えた頃だったでしょうか、部屋を誰かがノックしました。
中に入って来たのは理事長と呼ばれた男性でした。
「どこまで説明した?」
面接官の男性はそこまで話すと、何か面接について話していました。
「こちらのご家族で最後です」と伝えると、理事長は「じゃあ後は私が変わろう」と言い、部屋には理事長と私の二人になりました。
理事長と二人きりの面接
なぜ理事長と交代したかはわかりませんが、この時は園の都合だろうと考え、あまり深くは考えていませんでした。
ですが相手は理事長との事だったので「失礼にならないように」と緊張したのを覚えています。
先ほどまでの面接官の話を簡単に繰り返し、その後も園の説明をして頂きひと段落ついた頃から、理事長は雑談を始めました。
本当に一般的な雑談です。
ですが…一区切りついた頃、理事長はこの場にそぐわない事を話始めたのです。
「これは面接とは関係ない、ただの雑談なんですがね……。実は私、愛人を探しておりましてね。どなたかお知り合いで、そういった男性を探している女性をご存知じゃないでしょうか?」
「あの…申し訳ございません。私の周りでは思い当たりませんね…」
「そうですか、それは残念です。もしその方に子どもがいたら、私が口利きをして入園させる事もできるんですがね」
「それは…。例えばどういった女性が…」
こんな面接の場でそんな話題を出すなんてどういう意図だろうと訝しみました。
でも……思い当たる節が一つあり、私は探りを入れてみました。
「そうですねぇ。見た目の理想は髪の毛は長く、身長は高め。加えて、胸は大きい人ならなお良しでしょうか」
その他にも理事長は色々と女性の希望を口にしましたが、その特徴は私そのものだったのです。
名指しこそしませんが、理事長は自分の愛人になれば入園の口利きをすると遠回しに言っているのでした。
とはいえ、急にそんな事を言われても困ります。
ですが、これはある意味チャンスなのかもしれません。
私が我慢する事で入園を確実にすれば、子どもの明るい将来に一歩近づけるのですから。
でも夫の事だって愛しているし、それ以前に好きでもない男性に抱かれるなど考えられません。
それでも……私が我慢すれば……。
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エッチな願望はここで発散!